ざつがくCasting
期間限定。雑学コラムをポッドキャスティングでテスト公開します。

男脳、女脳

 今日もわが家の三兄弟の遊び部屋には、車や恐竜のおもちゃがあふれている。ブロックで組み立てるのは飛行機かロボットで、まもなく2歳になる下の子まで兄を真似して「たったたーん」って背景音楽を口ずさみながら遊んでいるのがほほえましい。  次男が生まれた頃、車を与えるから男の子になるのかなあと話していたら、米国の心理学者がベルペットモンキーにトラックやぬいぐるみを与えて遊ばせた実験結果を見かけた。いわく、雄のサルはトラックで遊ぶ時間が長く、雌のサルはぬいぐるみで遊ぶ時間が長かったと。この場合人間の文化の影響を受けたとは考えづらいので、おもちゃの好みは生物学的な差異で決まる部分もあるらしい。  性差に関して、脳研究方面からの成果も多く発表されるようになった。たとえばP300と呼ばれる脳の反応がある。何かの刺激を識別しようとするとき、300ミリ秒以内に出現する陽性電位だ。不快な写真を見せられたら、男性では右半球に、女性では左半球に多く出る。右半球はおおまかな状況、左半球は詳細な情報の処理に使われる傾向があるから、男は大局を、女は細部を記憶すると言える。  これを実験で確かめたのが、米国のカーヒルらだ。扁桃体の活動を抑制する薬を投与してから事故の映像を見せ、1週間後に記憶テストを行った。すると、男性は事故の骨子に関わる部分を思い出せず、女性は細部の状況を忘れていた。  こうした性差の話にとまどいがあるのは、差があることを能力差に結びつけたり、「男」「女」というレッテルにとらわれるからだろう。ほんとうはこうした差があることはすてきなことだし、その差を埋めるのではなく、組み合わせて高めることを目指したいと思う。そしてそれ以上に、性差ではなく個性の違いに目を向けるということ。わが家の三兄弟も、「男の子」である以前に、それぞれひとりの人間として親の前にいる。 MP3

category 雑学  /  2005年 11月 01日 21:50  | Comments ( 0 ) | Trackback ( 0 )